世界的なベストセラーを記録したジョナサン・サフラン・フォアの「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を映画化した本作。9.11以降、大好きだった父の死から立ち直ることができない少年が、どう立ち直り成長していくかを描いたヒューマンドラマです。
監督は、『リトルダンサー』『めぐりあう時間たち』『愛を読むひと』がアカデミー賞監督賞にノミネートされたスティーブン・ダルトリー。主演は、アカデミー賞受賞者のトム・ハンクス、サンドラ・ブロック、そして、演技経験が小学校の寸劇だけというトーマス・ホーンが大抜擢されました。
9.11を題材にした映画なので、大切な人との別れ、悲しい、切ない、かわいそうというイメージがあると思います。この映画もそのような要素は当然含まれているのですが、重点が置かれているのは1人の少年の成長です。
何かつらいことや悲しいことがあったとき、どのように乗り越えるかはそれぞれですが、オスカーの場合は自分の最大の理解者である父としていた「調査探検ゲーム」でした。
父が最後に残した最大の謎。この鍵に合う鍵穴を見つけると、父が残したメッセージを見ることができると信じ、調査を始めるのです。結局は違った形でメッセージを見つけることになるですが、調査を始めたときと終えたときでは人が違って見えます。
橋、電話のベル、高層ビルにおびえていた彼は、ブラックさんに会うためそれらを徐々に克服していくのです。それができたのも、すべては父のメッセージがあると信じていたからです。
そんな一生懸命なオスカーの姿を見ていると、観ている側も励まされ前向きに生きていこうという気持ちにさせてくれます。2011年が厳しい年だったわれわれは、特にそう思うのではないでしょうか。
オスカーの成長にも注目ですが、優しく暖かい目で息子を見つめる父役のトム・ハンクスや本当は息子のことを気に掛けている母を演じたサンドラ・ブロック、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされているマックス・フォン・シドーにも注目してください。
2012年2月に開催されるアカデミー賞の作品賞と助演男優賞にノミネートされている本作。受賞できるかどうかも気にはなるところですが、まず映画館で観てください。観終わった後はとても励まされ前向きにしてくれるおすすめの作品です。
スクリーンプレイスタッフ K・K
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