アメリカは、世界一の大国として、世界の政治、軍事、経済、金融を支配しているのみならず、生活様式や文化の面 でも世界に大きな影響を与えている。とりわけ、映画の世界では、ハリウッド映画のシェアは圧倒的である。潤沢な予算を使い、ハードのみならず、ソフトでも世界をリードしている。脚本、監督、俳優、技術、美術と、有能な人材を備えたアメリカの映画作りは、世界中の人々にエンターテインメントを提供しているとともに、アメリカ文化を世界に発信しているのである。価値観や文化を発信する機能が無い国は、いかに金儲けがうまかろうと、世界のリーダーにはなれない。
本書は、「映画を楽しみながら」ということなので、肩の凝らない、できるだけ平易な解説を試みたつもりである。私自身のアメリカ体験を随所に入れながら、アメリカに対する個人的思い入れも吐露してある。しかし、アメリカの政治や歴史については、質の高い記述を心掛けたので、アメリカ政治外交史や政治学の副読本としても十分に活用できると信じている。また、原語の香りを味わってほしい文章については、英文もできるだけ採録したので、英語の勉強にも役立つであろう。
「まえがき」より |