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イギリスを語る映画



  商品 税込価格 数量  
  書籍 1,575円  
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 外国の街並みや通りには、日本にはないものがたくさんある。映画では、スクリーンに何気なく映し出される家や窓、教会、田舎の風景などから、その国の独特の文化や歴史を感じることができる。しかも、その風景や事物は、監督の特別なこだわりのもとに繰り返し映し出されたり、ストーリーと絡んで重要な意味を担っていることが多い。作品の理解を深めるためにも、映画をよりいっそう楽しむためにも、そういった事物に関する知識を広めることは大切である。
 本書は、往年の作品はもちろん最近のものも含めて、イギリスを舞台にした30本の映画を取り上げ、その中の〈異文化〉について詳細な解説を試みたものである。著者自ら撮影した1万枚に及ぶ写真のうちから厳選した100葉あまりを添え、単なる言葉の説明だけでなく、ヴィジュアルな面からもアプローチができる。巻末には関連する英語表現も掲載しているので参考にしていただきたい。

 これはかねてより疑問に思っていたことではあります。
 何かと申しますと、テレビで映画が放映される際に、映画評論家が登場しては、ほんの短い時間ながらも解説をするのですが、大抵どの評論家も決まって、その監督にはほかにどんな作品があるかとか、その主演俳優がこれまでにほかのどんな作品に出演しているか、あるいは、その私的生活にまつわるエピソードなどの紹介をすることで終わってしまうことについてです。つまり、そのようなことなら何もわざわざ説明を聞かなくても、大抵の映画ファンならつとに承知していると思われる話に終始するのが通例、といっても必ずしも過言ではないのです。   
 確かに、彼らあるいは彼女たちに与えられた時間が少ないことと、視聴者の全てが映画通とは限らないという理由も考慮に入れますと、それはそれで仕方のないことといえるかも知れません。しかしその一方で、たとえ短い時間であれ、せっかく解説を加えるならば、事前に説明を受けることで、映画の内容そのものの理解がもっと深まる、というのが少々大仰だとするならば、より楽しんで鑑賞できるようにするための話の方に今少し重きを置いてもよいのではないか、と惜しまれる場合も多々あるのです。
 例えば、文化や風土のちがいから、我が国には無いものでありながら、彼の国には存在するものも多く、しかも、スクリーンには重要な意味を担って映し出されているものもあるのです。あるいは、作品の背景に描かれているその国の慣習や風俗についての、しかるべき解説がなされてもいいはずなのです。
 そうした知識を事前に仕入れて映画を見ることで、スクリーンに現われる場面場面に得心が行くようになる ― そういう説明こそ、国際化時代などということばを持ち出すまでもなく、映画がこれほど日々のテレビを通して楽しめる時代になった今日では、なされてもいいのではないか、と思われるのです。
             
 そこで本書は、往年の名画といわれるものを初め、最近の十一の作品も含めて、イギリスを舞台にした計三〇の作品を扱ったわけですが、その中でも特に十二の作品に焦点を当て、これまで先ずもって触れられてこなかったことで、しかも作品理解の上では見逃しにはすまされないことがらを取り上げ、数多くの写真を用いながら、〈映画の背景の解説〉を試みたものです。
 往年の作品の方を多く扱った理由のひとつは、ほかでもありません、同じビデオで楽しむにしても、こちらの方が最新の作品のそれよりはずっと安価に購入できるということのほかに、テレビ番組の中で今後とも繰り返し放映される率が高く、それだけいっそう多くの方々が鑑賞する機会に恵まれるものと考えたことにあります。

 実を申しますと、私たちにはだれしも、知っているものは見えるが、知らないものは見えない、というようなところがあるもので、スクリーンの上では監督がこだわりをもってわざわざ映し出しているにもかかわらず、それが一体全体何なのか分からないがために、あるいは、ストーリーの展開には直接のかかわりをもたない場合もあって、ついつい看過してしまうということもあるものなのです。
 そういうこともあって、本書の記述や写真を参考にした上で、かつて見た作品を今一度見直していただきたいと思ったばかりではなく、さらには海外旅行に際しても、こういう知識を携えて行くことで、単なる名所旧跡巡りとは一味ちがった異国の旅が享受できるのではないか、とも考えた次第であります。

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>> 本書で取り上げている主な映画タイトル

三谷 康之(みたに・やすゆき)

 埼玉大学教養学部イギリス文化課程卒業。成城学園高等学校教諭を経て、現在東洋女子短期大学教授。1975〜76年まで〈英文学の背景〉の研究調査のためイギリスにてフィールド・ワーク。1994〜1995年までケンブリッジ大学客員研究員。主な著書に『事典 英文学の背景 ─ 住宅・教会・橋』(1991年、凱風社)、『事典 英文学の背景 ─ 城廓・武具・騎士』(1992年、凱風社)、『事典 英文学の背景 ─ 田園・自然』(1994年、凱風社)、『キープ ─ 写真で見る英語百科』(共同執筆、1992年、研究社)、『イギリス観察学入門』(1996年、丸善ライブラリー)、『イギリスの窓文化』(1996年、開文社)、『童話の国イギリス』(1997年、PHP研究所)などがある。

 
書籍情報

書名: イギリスを語る映画
著者: 三谷 康之
定価: 1,575円(税込)
発行: 2000年 3月 8日
体裁: B6版 172ページ
出版社: 株式会社スクリーンプレイ
ISBN4-89407-241-6
 
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